準備回その 2 : Raspberry Pi の OS を入れた micro SD を作る

のびのびラーニング
6 min readApr 25, 2020

さて、Raspberry Pi には HDD(ハードディスク)や SSD のような storage (ストレージ:補助記憶装置)が入っていません。
そのため、普通に電源を ON にしても、何も起動してくれません。
Raspberry Pi の storage は、micro SD カードがその役割を果たします。

1. micro SD を買いましょう

micro SD カードは現在では 32 GB クラスのものが 1000 円未満で購入できます。
速度(読み書きの性能)はあった方が良いので、UHS スピードクラスの表記(アルファベットのUの中に数字が記載されている。数字は大きい方が早い)があるものを選んでおけば安心です。
容量は 16 GB もあれば十分なので、あまり容量の大きなものを買うよりも、そこそこの容量で複数枚購入する方が勝手が良いです。
今すぐに使う予定がなくても、必要になった時の手間を考えて余分に持っておくと安心です。

お使いの PC の SD カードスロットをご確認ください。
フルサイズの SD カードスロットの場合は、SD カードアダプター(micro SD を普通の SD の大きさに変換)が付いているものを買いましょう。
また、PC に SD カードスロットが付いていない方は、USB の外付け SD カードリーダーも一緒に買いましょう。

そもそも PC をお持ちでない方は、初めから OS が入った micro SD とセットになった Raspberry Pi スターターセットを買いましょう。
(前回の記事をご参照ください)

また、後の回で Raspberry Pi で他の micro SD カードの読み書きを行いたいため、USB の外付け SD カードリーダーがご家庭にひとつも無いという方は、この機会におひとつ購入しておいてはいかがでしょうか。
最近は 100 円ショップにも売っていますが、読み書きの速度を考えると、USB 3.0 に対応したもの(端子が青いもの)がおすすめです。

Raspberry Pi は USB 端子が密集しているため、SD カードリーダーが他のポートに干渉する場合があります。
念のため、短い延長ケーブルがあると安心です。
USB 3.0 の SD カードリーダーをご利用の場合は、延長ケーブルも USB 3.0 対応のものを選びましょう。

ケーブル付きの SD カードリーダーもありますが、値段が高かったり、安いものは USB 2.0 だったりします。

海外ブランドの商品なら、USB 3.0 かつケーブル付きタイプで価格もお手頃のようです。

2. Raspberry Pi 標準の OS : Raspbian(ラズビアン)

Raspbian は Linux という OS のひとつの形態で、Raspberry Pi 専用に作られた OS です。
Raspberry Pi の公式サイトで配布されています。

Raspbian には OS のサイズが異なる 3 種類のタイプがあり、サイズの小さな方から

  1. Lite : Raspbian Lite
  2. Desktop : Raspbian with desktop
  3. Full : Raspbian with desktop and recommended software

となっています。
“Buster” というのは、OS のバージョンを表すコードネームです。
Windows だと “Vista”、Mac だと “Catalina” みたいなことです。

Raspbian Lite は OS のサイズが小さく、その分データを保存できる空き容量は大きくなりますが、GUI というソフトウェア部品が含まれていないためマウスやタッチ操作は使うことができず、キーボードによるコマンド操作のみの OS になります。
そのため、初心者の方は Desktop または Full を選ぶのがおすすめです。

3. Raspbian の OS image を micro SD カードに書き込む

Raspberry Pi の storage は micro SD カードがその役割を果たすと書きましたが、中身の OS は自分で micro SD に書き込まないといけません。
スターターセットを購入された方は、あらかじめ付いている micro SD カードに既に OS が書き込まれているため、この作業は不要です。

Raspberry Pi 用の OS は、普通の PC と異なり「インストールディスク」ではなく、
OS をインストールした後の状態」が image file として配布されています。
image(イメージ)というのは、storage のデータをそっくりそのまま file として取り出したファイル形式です。
つまり、この image file をそっくりそのまま micro SD に書き込めば、Raspberry Pi を起動することができる SD になるということです。

PC から Raspbian OS を micro SD に書き込むのには専用のソフトを使います。
公式サイトの Download ページにある Raspberry Pi Imager を使うのが手軽です。
こちらから、ご使用の PC の OS (Windows / Mac / Ubuntu) に合うインストーラをダウンロードし、ソフトをインストールします。
インストールが完了したら、書き込む micro SD を PC に挿入し、ソフトを起動します。

起動すると、Raspberry Pi Desktop が Operating System 一番上にあり、Recommend されています。
Lite または Full の micro SD を作る場合は、その下の Raspbian (other) を選びます。

micro SD の容量が 8 GB や 4 GB の場合は、サイズが中間の Desktop にすると良いでしょう。
また容量が 2 GB 以下の場合は、そもそも Lite しか書き込めないため、新しく 16 GB や 32 GB のものを購入することをお勧め致します。

OS を選択すると、あとは書き込む micro SD を選択し、WRITE ボタンを押すだけで Raspberry Pi の OS image が micro SD に書き込まれます。

今回の内容は以上です。
ご精読頂き、まことにありがとうございます。
次回は、Raspberry Pi の起動や初期設定、HDMI を挿入せずに起動してしまった場合の対処法などについて記載したいと思います。

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