準備回その 3 : Raspberry Pi を起動する 〜 初期設定

のびのびラーニング
6 min readApr 26, 2020

今回は初回起動時についてです。

1. Raspberry Pi を起動する

OS image の書き込みが完了したら、micro SD を PC から取り出して Raspberry Pi に挿入します。
次に HDMI ケーブルでモニターや TV を接続し、USB キーボードやマウスを接続します。
電源ケーブルは必ず最後に接続します。HDMI を接続するより先に電源を ON してしまうと、後から HDMI ケーブルを接続しても既定の設定では画面が表示されないので、困ったことになります。
ON/OFF スイッチが付いていないケーブルの場合は、接続するとすぐに起動します。
起動すると、モニターが反応して映像が映ることを確認してください。
初めに虹色の鮮やかな模様が映り、その後 Linux の起動画面(Raspberry Pi のアイコンが4つ)に移行します。
Raspberry Pi のアイコンの数は CPU コアの数なので、古いモデルの場合は 1 つだけ表示されます。
しばらくすると Raspberry Pi のデスクトップ画面(道路の壁紙)が表示されます。
ここまで表示されれば、ひとまず micro SD への OS 書き込みはきちんと成功しています。

2. 初期設定ダイアログ

画面中央に初期設定のダイアログが表示されていると思います。
ここでお住まいの国やキーボードの配列、Wi-Fi の設定などを行います。

まずはマウスの操作でカーソルが動くことを確認し、設定を進めていきましょう。

最初の Welcome 画面で Next を押すと、国と言語の設定です。
初めの CountryJapan に変更すると、後の項目は自動的に日本の設定に変わります。

次に Next を押すとパスワードの変更画面ですが、ここでは省略します。
なお、既定のパスワードは raspberry です。
また、パスワードは passwd というコマンドでいつでも変更できすし、
この初期設定も piwiz というコマンドでいつでも再設定できます。
コマンドについては、また後の回で解説していきます。

次に Next を押すと Set Up Screen ですが、こちらも設定不要なので更に Next を押します。
次は WiFi 設定ですが、有線 LAN の方は Skip を押してください。
無線 LAN の方は、ご家庭のアクセスポイントを選択し、案内に従って pass phrase を入力してください。

次は Update Software ですが、こちらも後々やりますので Skip を押してください。

以上が終了すると、最後に Restart(再起動)を促す画面になりますので、
Restart を押して頂くと、自動的に再起動します。
次の起動時からは、この初期設定画面は自動では出てきません。

3. Raspberry Pi をインターネットに接続する

最初に Raspberry Pi を使う時には、なるべく有線 LAN 接続から試される方が安心です。
有線 LAN の方が、すんなりとインターネットに繋がりやすいためです。
先ほどの初期設定にて無線 LAN がうまく接続できなかった場合でも、有線 LAN で繋がった場合は、問題はネットワークではなく無線 LAN の設定にあると分かります。
ですので、できればご家庭のルーターに届く場所で、ルーターと Raspberry Pi を LAN ケーブルで接続してお試しください。
LAN ケーブルは、電源 ON の後から接続しても大丈夫です。

有線 LAN ケーブルでインターネット接続が確立すると、画面の右上に対向矢印のアイコンが出てきます。
(無線 LAN の方は、代わりに電波強度のアイコンが表示されます。)
そこまでマウスを移動すると、割り当てられた IP アドレスが表示されます。

きちんと IP アドレスが割り当てられていることが確認できたら、次はブラウザーを起動しましょう。
Raspbian には初めから Chromium というブラウザーがインストールされているので、それを起動します。
画面左上のラズベリーアイコンをクリックし、インターネット → Chromium とクリックすると、起動します。

ブラウザーが起動したら、次にキーボードで文字が入力できることを確認しましょう。
アドレスバーで好きな文字を入力し Enter を押すと、検索結果が表示されたら正常にネットに繋がっています。

4. Raspberry Pi をシャットダウンする

画面左上のラズベリーアイコンをクリックし、メニュー下部の Shutdown → Shutdown と選ぶと、ラズベリーパイの電源が OFF になります。
この時、本体の緑色 LED が定期的に点滅し、最後に少しだけ長い間点灯し、消灯します。
消灯したら、もう電源ケーブルを取り外しても大丈夫です。

5. HDMI ケーブルを繋ぐ前に起動してしまった時

後から繋いでも画面が映らなくてお困りでしょう。
焦って電源ケーブルを抜いてしまうと micro SD のデータが壊れてしまうことがあるので、別の方法を検討しましょう。

昔の Windows をご存知の方なら、Ctrl + Alt + Delete で強制的に再起動になることを憶えておられるかもしれませんが、Linux でも同様の処理をキーボードで行うことができます。

それがこちらです

キーボードの右上の方に “SysRq” というキーがあるでしょうか。
もし見当たらない方は、”Print Screen” のキーが代わりをしてくれる場合があります。
どちらも見当たらない場合は、他に家に USB キーボードが無いか探しましょう。でなければ、データが壊れないことを祈って電源を落とすしかありません。
また、もしデータが壊れたとしても物理的に破壊されるのではないので、前回の micro SD の作成をやり直せば、またきちんと起動する micro SD に戻ります。そんなに深刻に捉えなくて大丈夫です。

では、この SysRq キーを使って、Raspbian を安全に強制終了する方法です。

  1. Alt + SysRq(または Print Screen)を押し、押したまま更に r を押します。
  2. 同じように Alt + SysRq を押し、押したまま更に s を押します。
  3. 同じ要領で e, i, u と進めます。u の時の処理は重要なので、何度か u を繰り返しておくと安心です。
  4. 最後に Alt + SysRq + o を押すと、シャットダウンした時の緑色 LED の点滅が始まり、消灯します。

これで電源ケーブルを抜いても micro SD のデータが破損する心配はありません。
今度はきちんと HDMI ケーブルを接続してから起動しましょう。

なお、最後の o の代わりに b を押すと、シャットダウンではなく再起動になります。

今回の内容は以上です。
ご精読頂き、まことにありがとうございます。

次回は、Raspbian で使える基本的なコマンド操作について触れてみたいと思います。

--

--