今時の Chromebook で Crostini と Minecraft Education Edition をチェック

のびのびラーニング
8 min readDec 5, 2020

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少し前になりますが、以下のようなニュースがありました。

Chromebook のシェアが 1 % から 13 % に急増。2021 年には 24% へ

GIGA スクール構想の対応で、Chromebook を導入する自治体もあるようです。
私は ASUS の Chromebox を既に持っているのですが、買ったのは随分前で既に OS 更新期限も過ぎているため、現在の Chrome OS の勉強のために新しく Chromebook を買うことにしました。

kakaku.com のランキング(価格順)

Chromebook の選ぶ際に考慮するポイント

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Chromebook は他のノート PC と違って、ストレージの容量が非常に少ないです。Google が「データは Google Drive に保存する」という使い方を推奨しているためです。

ローカルに保存する場合には SD カードも併用できますが、内蔵ストレージが多いことを望まれる場合はよく確認されることをお勧めします。

もうひとつ Chromebook ならではのポイントとして、CPU アーキテクチャーの違いがあります。

IA (Intel Architecture : x86_64, amd64) 系

  • 主に PC で採用されている CPU アーキテクチャーです
  • PC 系のソフトウェアを使いやすい

ARM (arm64, aarch64) 系

  • 主にスマートフォンで採用されている CPU アーキテクチャーです
  • 同価格帯の IA CPU と比較して CPU コア数が多い

Mac ではつい最近 CPU を IA から ARM の Apple M1 に変更し、アプリの対応が進められています

M1 チップの Mac での対応状況を確認できる検索サイトが登場

が、Chrome OS では元々 IA と ARM 両対応で設計が進められていて、両方の製品が既に販売されています。

私の場合は今回新しく Chromebook を購入する主な目的が Crostini という汎用の Linux OS を利用できる機能の確認だったため、安全を期して IA CPU の Chromebook である Acer CB314–1H-A14N を選択しました。

しかし最近の Chrome OS では Android アプリを利用できることも重要なポイントなので、Android のアプリを動かすことが目的であれば、むしろ ARM CPU の Chromebook の方が支障が少ないかもしれません。

目的その 1 : 今時の Chromebook で Minecraft EE をプレイ

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Chrome OS は以前から起動とシャットダウンは爆速でしたが、今回買ったものは PC の天板を開くだけで起動するようになっていました。気が利いていますね!

Google アカウントにログインしなくても、ゲストアカウントでブラウジングできるのも以前と同様ですが、
Google アカウントにログインすると Google Play Store が利用でき、Android アプリをインストールすることができるようになっています。

Google Play Store

Minecraft Education Edition

も教育市場での隆盛を受けて最近 Chromebook に対応されており、
Play Store からインストールできました

今回のモデルは GPU が貧弱なので Mac や Windows PC でプレイするのに比べて描画が少し重かったですがプレイには何ら支障無く、キーボードで操作できましたし、アドオンを導入することもできました。
(iPad 版では Bluetooth キーボードを接続してもタッチ操作でしか動かせません。)

もちろんコードエディターでのプログラミングも問題なくできました。

目的その 2 : Windows PC で Linux を使うことの不便さを解消

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私は Windows 10 のノート PC も利用していますが、Ubuntu 20.04 をインストールしてデュアルブートにしてからというもの、Windows 10 の挙動が非常に不安定になってしまいました。具体的には

  • Winddows が起動しない(「くるくる」が永遠に続く)
  • Windows Update に失敗し、修復処理が走る

などで、「これだから Windows は…」などとお決まりの暴言を吐くものの、このような使い方は本来のメーカー保証の対象外であり、動作に異常をきたしても無理もないことです。

最近では Windows 上にネイティブの Linux を動作させる WSL2 もありますが、Windows が Xorg 由来でないため GUI アプリが利用しづらかったり、Windows とのファイルのやりとりでファイルパーミッションが壊れたり、改行コードに CR が混ざったりと、ストレスフリーとはいきません。

私の使途であれば、Ubuntu 上で Windows をエミュレートしてもらえる方がはるかにありがたいのですが、さすがに Microsoft CEO のナデラさんがそれを実現してくれたら五体投地で感謝する程度には実現困難でしょう。

公式の機能で Linux ターミナルと GUI アプリが使える

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一方、Chrome OS はそもそも Linux ベースの OS です。従来は開発者モードで起動しないとターミナルに入れませんでしたが、現在は一般ユーザーモードでも Crostini という LXD コンテナ由来の機能で Debian の仮想環境を動かし、そのターミナルを使うことができます。

設定から機能を有効化することで、すぐに利用できました。
PC 起動後の初回実行時はコンテナの起動が必要なので少し時間がかかりますが、2 度目からは普通のアプリと変わらない感覚で使えます。ファイルも Chrome OS と仮想 Debian 間で共有できます。

Debian ターミナルから GUI アプリを起動することもできます。
これは現状の WSL2 に比べて大きなアドバンテージです。

$ sudo apt install viewnior
$ wget https://www.kernel.org/theme/images/logos/tux.png
$ viewnior tux.png

ソリティアもできます。

$ sudo apt install xsol
$ xsol
一部の方には重要なソリティア

Crostini は現在まだ Beta 版ではあるものの Chrome OS の公式機能なので、私の Win10 PC のように OS の動作に異常をきたすこともありません。

その他の特徴

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OS の更新は結構頻繁にあります。ブラウザーの Google Chrome がベースでバージョンも一致しているため、だいたい Chrome の更新と同じ頻度ですが、Windows Update に比べると比較的すぐに完了します。

右下のエリア → 歯車アイコン → Chrome OS について

更新後は再起動を促されます。

昔の Chrome OS では「ダウンロード」ディレクトリーが RAM ドライブだったため再起動すると消えてしまっていたのですが、現在は再起動でも消えないようです。

「ダウンロード」のファイルは再起動後も残ります

まとめ

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正直なところ、現在はスペックで大幅に上回る Win10 ノート PC が段ボールに仕舞われ、こちらをメインで利用しています。

Mac でも OS 標準のターミナルが使えるものの、Mac は Linux ではなく BSD 由来のためコマンドの仕様には細かな違いがありますし、デスクトップ環境もやはり Xorg 由来ではないため Linux の GUI アプリを利用するには苦労します。

その点 Linux 作業もできるノート PC として、Chromebook は非常に扱いやすいと感じました。かつてはアプリの少なさがデメリットでしたが、現在は Android アプリを利用できることで、むしろスマホ世代には手に取りやすいのではないでしょうか。

皆様が Chromebook をお求めになっても私には一銭も入りませんので、ポジショントークは一切ありません(笑)安心してお買い求めください。

本日の内容は以上です。
ご精読いただき、ありがとうございます。

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Written by のびのびラーニング

AI 技術者 (TensorFlow Developer Certificate) です

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